矢切ねぎぼうずの会~蔵のギャラリ-「結花」
- 2013/10/30
- 14:45
まるごと松戸ファンド助成団体のご紹介です。
~~矢切ねぎぼうずの会~~
蔵のギャラリ-・喫茶「結花」(ゆい)運営
同会は松戸市下矢切に埼玉県所沢市元町から移築された古い蔵を再利用したギャラリ-・喫茶「結花(ゆい)」を運営しています。この蔵は伝統建築物の構造を研究する構造建築家だった同会代表の増田美恵子さんのご主人、一眞(かずま)さんが、所沢市街地の再開発事業で取り壊されることになった明治8年建築の蔵づくり「灰屋薬局」を見て、昔の匠(たくみ)たちの実力が存分に発揮された構造や外観の素晴らしさに感動し、「これを取り壊してしまうのは忍びない」と思ったのが移築のきっかけでした。
事前に伝統建築の調査をしていた友人から「あと1か月で壊され、更地になる。このままでは、ごみ同然になって消えてしまう」と聞いた一眞さんは「私が全財産を投げ打ってでも持っていく」と即座に決意したのです。その時、一眞さんはすでに60代半ばでしたが、これを聞いた美恵子さんは、「老後になってやっとホッとできると思ったのに、そんな大きな蔵を移築するなんて、あなた気でも狂ったのではないの」とびっくり仰天。でも一眞さんは「俺の最後の大仕事だと思って、どうかやらせてほしい」と頭を下げるので、美恵子さんはもう折れるよりほかありませんでした。
それからがもう大変な大仕事。費用だけでもとんでもない額になりますし、限られた短期間の移築ですから作業的にも困難続きでした。増田家は売れるものはすべて売り払い、さらに借り入れまでして費用を工面。重機を使うと蔵が損傷してしまうので、多くの職人たちや建築家を動員して一枚一枚瓦をはずし、その下に敷き詰められた土の層を叩いて少しずつほぐし、さらにその下の下地板をはずし…というように上から順にほぐし、外していく解体作業を地道に続けました。あとでそれらを復元するために、構造材の一本、一本に番号を付けました。これらを1か月で行うのは例のない作業でしたが、多くの建築関係者の総力を挙げた協力で解体後、さらに現在地まで運搬して基礎づくりをして復元作業が2000年に完成。店舗と同時に住居部分(平屋建て約40平方㍍)も店に接続する形で移築されました。店舗部分は、内装作業をして解体から2年半後の2001年11月にギャラリ-・喫茶「結花」がオ-プンしました。店名は、日本のかつての農村で労働力を提供し合う助け合いの仕組み「結」と、下矢切に咲いた一輪の花がやがて地域に実を結ぶようにとの願いを込めて「花」という文字を組み合わせました。
結花は1階が喫茶、2階が会議室(ステ-ジがあって、講演会や各種発表会などもできる)になっています。築135年以上の蔵作り古民家は、述べ床面積約80平方㍍の大きさで1階はケヤキ、2階はマツで作られています。1階の天井は三尺ごとに升目状に梁(はり)が組まれた格(ごう)天井で、玄関側には縦2尺(60㌢)、横1尺(30㌢)の太さで、長さ4間(7m20cm)の大梁があって、一見の価値があります。木のぬくもりと昔風の落ち着いた空間には、ランプ風の薄明かりの照明が点され、そこにいるだけでもほっとする雰囲気が漂い、現代の家屋にはない癒やしが感じられます。
喫茶では随時、シャンソン歌手、ジャズ歌手のコンサ-トをはじめ、バイオリン、フル-ト、琴などの多彩な演奏会(ドリンク付きで2000円)が開かれるほか、毎月第1水曜日の午後2時~4時にはピアニストの演奏による「歌声喫茶」(ドリンク付き1000円=予約不要)の時間もあって、お客様が昔の思い出の歌を披露しています。60歳以上の常連のお客様も多く、毎回20人~30人で賑わう人気イベントです。
また、年2回(基本的に夏至と冬至)キャンドルナイトコンサ-ト(シャンソンの夕べ=2000円+1品注文制)も開かれ、幻想的な雰囲気のなかで歌と音楽が楽しめます。専門家からも音の響きが違うと評価され、「結花」でレコ-ディングされたコルネット(金子雄生)とコントラバス(河崎純)のDuo 「ふたつの月」が十三夜コンサ-ト(2000円+ドリンク)として10月26日に誕生の店で即興生演奏され、人気を博しました。
2階は天井が三重の梁になっていて重厚な造りです。そのステ-ジ(観客席は約40人収容)でも1月には太鼓、三味線、地方に伝わる舞いなど日本の伝統芸能の催し(3500円)、9月にはピアノのクラシックコンサ-ト(2500円)が開かれ、ファンにはとても好評。不定期ですが落語なども披露されています。
絵画展などサ-クル(市民団体)の利用は1週間(搬入・搬出合わせて6日)で8000円、会議室として利用する場合は3時間まで2000円、もしくはその額以上の注文があれば0Kです。
さまざまな企画を担当している娘さんの増田薫さんは「古い蔵づくりなので、維持、管理の費用だけでも大変です。経営的には厳しいけれども、日本の原風景である古い町並みが壊されていく日本の現状の中で、伝統建築を保存することの意義、守っていくことの大切さを地域の人と勉強したり、現代の使い捨て文化に対する問題提起や提案をしていきたい。矢切は伊藤左千夫の名作『野菊の墓』の舞台となった地域ですし、近くには矢切の渡しもありますので、観光も兼ねてぜひお気軽にお立ち寄りください」と語っています。
◆ 蔵のギャラリ-・喫茶「結花」
〒271‐0096
松戸市下矢切89‐4
TEL:047‐361‐2103
営業時間:11時~18時
定休日:日・月・第一水曜日(歌声喫茶)
【ホ-ムペ-ジ 】http://yui.bananapage.net/
~~矢切ねぎぼうずの会~~
蔵のギャラリ-・喫茶「結花」(ゆい)運営
同会は松戸市下矢切に埼玉県所沢市元町から移築された古い蔵を再利用したギャラリ-・喫茶「結花(ゆい)」を運営しています。この蔵は伝統建築物の構造を研究する構造建築家だった同会代表の増田美恵子さんのご主人、一眞(かずま)さんが、所沢市街地の再開発事業で取り壊されることになった明治8年建築の蔵づくり「灰屋薬局」を見て、昔の匠(たくみ)たちの実力が存分に発揮された構造や外観の素晴らしさに感動し、「これを取り壊してしまうのは忍びない」と思ったのが移築のきっかけでした。
事前に伝統建築の調査をしていた友人から「あと1か月で壊され、更地になる。このままでは、ごみ同然になって消えてしまう」と聞いた一眞さんは「私が全財産を投げ打ってでも持っていく」と即座に決意したのです。その時、一眞さんはすでに60代半ばでしたが、これを聞いた美恵子さんは、「老後になってやっとホッとできると思ったのに、そんな大きな蔵を移築するなんて、あなた気でも狂ったのではないの」とびっくり仰天。でも一眞さんは「俺の最後の大仕事だと思って、どうかやらせてほしい」と頭を下げるので、美恵子さんはもう折れるよりほかありませんでした。
それからがもう大変な大仕事。費用だけでもとんでもない額になりますし、限られた短期間の移築ですから作業的にも困難続きでした。増田家は売れるものはすべて売り払い、さらに借り入れまでして費用を工面。重機を使うと蔵が損傷してしまうので、多くの職人たちや建築家を動員して一枚一枚瓦をはずし、その下に敷き詰められた土の層を叩いて少しずつほぐし、さらにその下の下地板をはずし…というように上から順にほぐし、外していく解体作業を地道に続けました。あとでそれらを復元するために、構造材の一本、一本に番号を付けました。これらを1か月で行うのは例のない作業でしたが、多くの建築関係者の総力を挙げた協力で解体後、さらに現在地まで運搬して基礎づくりをして復元作業が2000年に完成。店舗と同時に住居部分(平屋建て約40平方㍍)も店に接続する形で移築されました。店舗部分は、内装作業をして解体から2年半後の2001年11月にギャラリ-・喫茶「結花」がオ-プンしました。店名は、日本のかつての農村で労働力を提供し合う助け合いの仕組み「結」と、下矢切に咲いた一輪の花がやがて地域に実を結ぶようにとの願いを込めて「花」という文字を組み合わせました。
結花は1階が喫茶、2階が会議室(ステ-ジがあって、講演会や各種発表会などもできる)になっています。築135年以上の蔵作り古民家は、述べ床面積約80平方㍍の大きさで1階はケヤキ、2階はマツで作られています。1階の天井は三尺ごとに升目状に梁(はり)が組まれた格(ごう)天井で、玄関側には縦2尺(60㌢)、横1尺(30㌢)の太さで、長さ4間(7m20cm)の大梁があって、一見の価値があります。木のぬくもりと昔風の落ち着いた空間には、ランプ風の薄明かりの照明が点され、そこにいるだけでもほっとする雰囲気が漂い、現代の家屋にはない癒やしが感じられます。
喫茶では随時、シャンソン歌手、ジャズ歌手のコンサ-トをはじめ、バイオリン、フル-ト、琴などの多彩な演奏会(ドリンク付きで2000円)が開かれるほか、毎月第1水曜日の午後2時~4時にはピアニストの演奏による「歌声喫茶」(ドリンク付き1000円=予約不要)の時間もあって、お客様が昔の思い出の歌を披露しています。60歳以上の常連のお客様も多く、毎回20人~30人で賑わう人気イベントです。
また、年2回(基本的に夏至と冬至)キャンドルナイトコンサ-ト(シャンソンの夕べ=2000円+1品注文制)も開かれ、幻想的な雰囲気のなかで歌と音楽が楽しめます。専門家からも音の響きが違うと評価され、「結花」でレコ-ディングされたコルネット(金子雄生)とコントラバス(河崎純)のDuo 「ふたつの月」が十三夜コンサ-ト(2000円+ドリンク)として10月26日に誕生の店で即興生演奏され、人気を博しました。
2階は天井が三重の梁になっていて重厚な造りです。そのステ-ジ(観客席は約40人収容)でも1月には太鼓、三味線、地方に伝わる舞いなど日本の伝統芸能の催し(3500円)、9月にはピアノのクラシックコンサ-ト(2500円)が開かれ、ファンにはとても好評。不定期ですが落語なども披露されています。
絵画展などサ-クル(市民団体)の利用は1週間(搬入・搬出合わせて6日)で8000円、会議室として利用する場合は3時間まで2000円、もしくはその額以上の注文があれば0Kです。
さまざまな企画を担当している娘さんの増田薫さんは「古い蔵づくりなので、維持、管理の費用だけでも大変です。経営的には厳しいけれども、日本の原風景である古い町並みが壊されていく日本の現状の中で、伝統建築を保存することの意義、守っていくことの大切さを地域の人と勉強したり、現代の使い捨て文化に対する問題提起や提案をしていきたい。矢切は伊藤左千夫の名作『野菊の墓』の舞台となった地域ですし、近くには矢切の渡しもありますので、観光も兼ねてぜひお気軽にお立ち寄りください」と語っています。
◆ 蔵のギャラリ-・喫茶「結花」
〒271‐0096
松戸市下矢切89‐4
TEL:047‐361‐2103
営業時間:11時~18時
定休日:日・月・第一水曜日(歌声喫茶)
【ホ-ムペ-ジ 】http://yui.bananapage.net/
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