地域見守りの組織づくり 高齢者と地域と医療機関の三角形の関係をつくる!
- 2017/03/07
- 15:46

千葉県社協さんのフリー冊子「福祉ちば」に、あんしん電話を取材していただきました。
近々配布されるものに見開き2ページで載っていると思います。
そのとき福祉ちばの担当の方に、あんしん電話の仕組みのイラストをつくっていただきました。元の絵はあったのですが、細かいところを修正してもらって、とても読みやすくなりました。(ありがとうございます!)
●三角形の関係で助け合いを循環させる
「三角形の関係」と聞くと昼ドラみたいなドロドロな関係を思い浮かべる人も多いかと思いますが、もちろんそういうものではありません。地域での見守り活動の課題としてよく聞く声は「見守りをしている人が負担を背負ってしまう」というものです。日々の見守りが大変なのもありますが、個人の方の状況、病気や健康状態について、また何かあったときのことなどを一人で背負ってしまう精神的な負担も大きいのです。
これは、2者間で「関係が閉じて」しまっていることがひとつの原因です。関係性が狭いと、そこで生じた負担は片一方に流れ背負ってしまうことになります。これは一人ひとりの関係だけでなく、「高齢者」と「町会」という集団同士の関係にも生じます。今の例でいえば、医療的なことが生じた場合、町会だけでは対応できません。医療機関も、地域に密着した日々の見守りをすることは難しいでしょう。
「あんしん電話」は、この3者を三角形につなぎ、役割を明確にすることによって、出来ないことを出来る人へ「渡せる」関係をつくっています。高齢者は、気になることがあれば「※2」「※3」を押し、医療機関へ悩みがあることを知らせます(個人の負担が医療機関へ流れる)。医療機関が対応できることであればここで解消し、もし医療機関にとって負担になることであれば、町会へ連絡します(医療機関の負担が町会へ流れる)。ここで地域の方が電話やご自宅を訪問することで解消しないことがあれば、協議会(町会同士でネットワークされているあんしん電話普及のための組織)に連絡をして、さらに他の方へ相談していきます。
●社会の課題は負担の滞りで起きている
上記の事例でも分かるように、社会問題と言われているものは「負担がどこかに滞る」ことで生じています。個人個人に負担が乗っかってしまい、それを渡すところがない状態が問題です。これを「関係性の貧困」という表現をすることがあります。多くの関係があることは、それだけ頼れる機会がたくさんあるということです。自立とは、一人で何でも出来るようになることではなく、「多くの人」に依存することができることです。私たちは、依存しないようにしないように、自立することを目指してきましたが、それはきっと間違っていたのでしょう。今の社会を見れば一目瞭然です。
しかし、「関係をつくる」というのは、簡単なことではありません。私たちは、多様な方たちと関係の作っていく仕方をすっかり忘れてしまいました。これからの私たちがどうやって、改めて関係を作り合っていくのか、自分たち自身で見つけていく必要があります。「知り合いになる」ことは、誰かがやってくれるものではないのですから。
ただし、個人に任せていても、関係づくりは進んでいかないでしょう。私たちが考えていかなければいけないことは、私たちが出会い、知り合える「きっかけ」をどう作っていくことができるか。「あんしん電話」はその「きっかけ」を、コストも負担もほとんどかけずに地域につくることができます。
「あんしん電話」は、「関係性の貧困」に陥ってしまった私たちが、負担を受け渡し合える関係を実現するための、大きな解決策になると信じています。
(中尾)
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(火、水、木 10時~16時)
「あんしん電話」 新聞記事など
◇「町会とともに「孤独死」防げ 「高齢者安否確認システム」に連携 千葉・新松戸診療所」
◇朝日新聞「お年寄り見守りシステム、松戸市が助成へ」
◇毎日新聞「あんしん電話導入を 医療機関と連携、高齢者の健康見守り 松戸市内58町会400人登録 無料電話で気軽に相談」
◇東京新聞「あんしん電話」活用を 高齢者見守りが好評 松戸市の民間団体が相談窓口
◇千葉日報「あんしん電話」普及へ 町会に加入呼び掛け 高齢者の安否確認 松戸
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