貧困と社会的孤立・孤独死との相関関係について
- 2018/06/15
- 00:00
世界的にみても日本独特と言われる「孤独死」の
根源的な原因を解決することは、なかなか困難なことですが、
昨今、貧困が社会的孤立・孤独死と
相関関係にあるのでないかという仮説が、
様々に取り上げられ始めています。
以下、毎日新聞2017年9月16日の記事の抜粋です。
―孤独死が近年増加傾向にあることをうかがわせるのが
「引き取り手のない遺骨」の件数の推移だ。
死者に身寄りがなかったり、
家族らが引き取りを拒んだりした場合、
墓地埋葬法などは、死亡地の市区町村長が埋葬・火葬し、
遺骨も自治体が引き受けるとしている。
千葉市によると、こうした遺骨は
1人暮らしの高齢者のケースが多いという。
同市が引き受けた件数は
06年の83件から16年は2倍超の213件に。
うち8割の173件を生活保護受給者が占める。
同市内の生活保護受給者は
05年の約1万1000人から15年は約2万人とほぼ倍増しており、
貧困層の拡大が数字を押し上げた一因とみられる。
受給者以外でも、身元が判明しているにもかかわらず
引き取り手のない遺骨が06年の17件から16年は35件に。
同市の担当者は「家族関係の希薄化が進んでいるのでは」と話す。―
この記事から、原因は不明ですが、
血縁・家族関係の希薄化が進んでおり、
貧困と所属(家族)を失うことで、社会的な孤立化が進み、
「引き取り手のない遺骨」となることが想像できます。
一人暮らしの高齢者が孤立化することを予防することは、
これから訪れるであろう多死社会で、
「長期に発見されることのない遺体」や「引き取り手のない遺骨」が多発して、
地域社会が荒廃することを押しとどめます。
自動応答電話をツールにして行う見守り活動(あんしん電話)は、
起こっている現象を予防的に対処し、
「ご近所見守り」という形で
新たな関係の結びなおしを進めていくことのできる事業です。
人海戦術で負担の多かった見守り活動を、
クラウド型安否確認システムを利用して
人的労力を最小限にとどめる定期的な見守り活動にします。
定期的な見守りには、
地域との関係性を蓄積できる仕掛けが組み込まれており、
その蓄積こそが、地域社会とのつながりを創り出し、
一人暮らしの高齢者が地域社会から孤立することを予防します。
いわば、孤立化が起こす不幸の連鎖に
歯止めをかける仕組みの一つです。
未曾有の高齢社会を生き抜く
次世代の人たちに渡せる仕組みにしたいと考えています。
NPO法人CoCoT 代表理事 小山 淳子
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