市民活動と哲学

７月１９日の日経朝刊の文化面の記事「哲学者アーレントに脚光」は、
色々と考え込む記事でした。

哲学者アーレントがいう「悪の陳腐さ」という表現は、非常に的を射ていると思います。
この間の私たちが直面している裁判の中で、
上方喜劇のようなことが起こり続けて、社会問題となっていくことを、
当事者として、目の当たりにしました。
思考停止が起こす連鎖の怖さを知りました。

多様性を認めるということは、「相手に説得されてもいい」と思うことで、
説得されてもいいということは、
説得されるほど、丁寧な討議のプロセスがあるということです。

自分たちの直面する課題についてある帰着点に導くまでをどのように作っていくか、
同じ結論が出なくてもよいと、どこまで受け止められるか、
討議の場にある人々がどのような関係性を築き上げるか、
討議のプロセスを作っていくことは、
簡単なことではありません。

そして、最後は自らの意思で、答えを選ばなくてはならないのです。

討議を尽くす、熟議していくことは、
多様性を認め、自らの立ち位置を自ずから知ることでもあるのです。

哲学を持つことの重要さを痛切に感じます。